私の一票なんて―と思っている人もいると思うけれど、市議選などはそんな一票が当落を左右する。その人の一票で政治が変わるかもしれない。
2年前から苫小牧市選挙管理委員会事務局で書記を務めている。選挙の啓発活動が主な業務で、高校生らの出前講座を担当している。
出前講座は2015年6月に「公職選挙法等の一部を改正する法律」が成立、公布され、18歳以上に選挙権が与えられたことを受け、同年にスタートした。実物の投票箱や記載台を持ち込んで、模擬投票を体験してもらっている。これまでに高校や高専、大学などで18回行い、計1940人が参加した。
各級選挙では全国的に18、19歳の投票率が低く、苫小牧も同様。社会への関心が薄いからではないか―と心配している。出前講座や啓発活動を地道に続けていくことが重要だと感じている。
選挙に対して難しいイメージを抱く人たちも少なくないが昨年度、市内3校で出前講座後に実施した参加者へのアンケートでは「18歳になったら投票に行くつもりだ」「(すでに)行った」が9割を超え、受講により「選挙の流れが分かった」「関心なかったが興味を持てた」といった好意的な声が目立った。
「インターネット投票を導入すべき」「投票したら特典をもらえるようにするなどすれば、投票率が高まるのでは」といった提案もあった。
選挙当日、投票所は午前7時から午後8時まで開いているし、その日都合が悪くて行けない人のために、事前に一票を投じられる期日前投票制度もある。
一度投票に行ってみれば難しくないことは分かるだろう。一票を投じることで、今の生活が良くなり、未来だって変わる可能性もある。市外に出ても手続きをすれば投票できる。自分のことという意識を持って投票に行こう。