【ワシントン時事】米連邦最高裁が近く人工妊娠中絶の権利を否定する判断を下すとの報道を受け、中絶支持派が3日、首都ワシントンの最高裁前で中絶の合法化を訴える集会を開いた。米世論を二分する問題だけに、司法の最終判断に注目が集まっている。
大学生のローレンさん(21)は「全ての女性には選択の権利がある。最高裁は間違っている」と強調。仕事を休んで参加したアビーさん(24)は「望まない出産は子どもを不幸にする。中間選挙では、中絶の権利を守る議員を選ばなければいけない」と語った。
同性愛者だというディランさん(18)は「中絶(の権利否定)は始まりにすぎない。この先、同性婚や(心と体の性が一致しない)トランスジェンダーの権利も剝奪される」と懸念する。保守的な家族とは話ができないといい、「女性だけでなく家族の問題だ。この国の分断がますます深まる」と表情を曇らせた。
一方、中絶反対派の牧師スティーブさん(65)は「胎内の赤ん坊を殺すなんて不自然だ」と主張。報道に「跳び上がって喜んだ」という。