ウクライナに侵攻したロシア軍は3日、親ロシア派の支配地拡大を狙い、各地で攻撃を続けた。東部ドネツク州のキリレンコ知事は3日、攻撃で21人が死亡、27人が負傷したと発表。南東部の要衝マリウポリでは、民間人が取り残されたアゾフスタル製鉄所への攻撃も再開された。
現地からの報道によると、キリレンコ氏は同州アウディイウカのプラントが砲撃を受け「少なくとも10人が死亡し、15人が負傷した」と訴えた。別の町や村でも計11人が命を落とし、4月上旬にクラマトルスクの鉄道駅にミサイルが撃ち込まれ、60人近くが死亡した後では、州の一日の犠牲者数としては最悪だと強調した。
西部リビウのサドビー市長は3日、空爆で「配電所が被害を受け、停電が起きている」とツイッターに書き込んだ。
一方、ロシア国防省は3日、マリウポリのアゾフスタル製鉄所に立てこもるウクライナ兵が退避のための攻撃停止中に態勢を立て直したことから、攻撃を再開したと主張した。第2陣の避難が難航する恐れが出てきた。
国連は3日、製鉄所からの第1陣101人の脱出を確認した。さらにマリウポリ近郊の町からも、58人が避難に成功した。
ただ、マリウポリのボイチェンコ市長は3日、なお200人を超える民間人が製鉄所にいると訴えた。市内にも約10万人の民間人が残っているとされる。