(2) 健全な金銭感覚持って 苫小牧信用金庫研修部アドバイザー 工藤(くどう) 瑞生(みずお)さん(64)

  • 10代の「大人」へ, 特集
  • 2022年5月3日

  将来を見据え、まずは貯蓄の習慣を身に付けること。欲しいものがあってローンを組むときは、収入に見合った返済計画を立ててほしい。

   2009年から小中学校や老人クラブなどを対象にした「金融教室」を手掛けてきた。現在は研修部アドバイザーとして、主に職員の研修業務に携わっている。

   苫小牧信用金庫では地域貢献の一つとして、08年から金融教室を実施。「お金について考えよう」をテーマに上手なお金の使い方を知ってもらう内容で、苫小牧市内や近郊の学校で延べ90回行ってきた。

   新型コロナウイルス流行前の18、19年には新社会人向けに、クレジットカード利用に当たっての注意点やマイカー購入、結婚などに掛かる資金について説明してきた。

   成人年齢の引き下げで、親の同意がなくても自分の意思でローンを組めるようになった。これまで認められてきた未成年者取消権はなくなり、自身で責任を負うことになるため、新成人には今まで以上に丁寧に説明することを心掛けている。

   お金は、使い方次第で夢をかなえることもできるが、使い方を間違えると多重債務に陥るなどリスクが伴う。苫信ではフリーローンやカードローンといった使い道が自由なローンについては、これまでと同様に20歳以上を対象にしている。

   お金について話題にすることを今でもタブー視する風潮が根強い中、学校でも消費者教育や金融経済教育の取り組みが進んでいる。

   小遣いの使い道は適切かどうか、携帯電話の料金は誰が払っているのか。キャッシュレス化が進み、お金の流れが見えにくくなっている今、社会の基本単位である家族でしっかりとお金について考える機会をつくっていくことが大切だ。

   新成人には金銭感覚をコントロールする力を身に付けてほしい。

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