(1) 社会参画の在り方は 「おせっかいおじさん・おばさんの家」代表 髙橋(たかはし) 雅子(まさこ)さん(85)

  • 10代の「大人」へ, 特集
  • 2022年5月2日

  信念を持ち、社会に参画することこそが「大人」―。

   町内会役員や民生委員児童委員、男女平等参画に取り組む市民団体のメンバー、住民有志の見守り組織「おせっかいおじさん・おばさんの家」の発起人…。さまざまな立場でより良い地域の在り方を考え、実践し、発信し続けてきた経験から、そう確信している。

   国政や世界情勢といった大きなところにいきなり目を向けることよりも、まずは通っている学校や自分が住んでいる地域、家族や友達関係を「どうしてこうなっているのかな」「より良くする方法はないのか」という視点で見ることから始めては。そのような視点を持って日常生活を送ることで自分の「芯」のようなものが磨き上げられ、どんどんと外の世界に意識が向くようになる。

   自分が少しだけ、大人になったなと実感した出来事がある。高校生の時、生徒会が購入したミシンに付いてきたもう一台を校長が自分の物にしたことについて、それを容認する声と問題視する意見で学内が二つに割れた。当時は引っ込み思案で意見を口に出せなかったが、問題視する側の教員を支持する行動で自分の考えを示した。この時に感じた熱い思いは、その後、社会に参画する上での原点になっている。

   きっと若い人たちにも同じような経験をする機会があるはず。その時には男女平等参画都市宣言のまちで暮らす市民として、自分の意見を持ち、失敗を恐れずに思い切って行動してもらいたい。

   少子高齢化に伴い高齢者中心の地域づくりが進められてきたが、若い世代こそまちの主役であるべき。若い人が地域に関心を持ち、つながり合おうとする意識を持てるような環境や仕掛けをつくることが、わたしたちシニア世代の使命だと考えている。自分も若い人を巻き込めるような新たな挑戦を構想しており、新成人の参画に期待している。

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   140年ぶりの民法改正で4月1日、成人年齢が18歳に引き下げられ、苫小牧では新たに約3000人が成人となった。各分野の”先輩”から新成人に向けたアドバイスや提言をもらった。全5回。

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