政府は28日の閣議で、ガソリンなど燃料価格を抑制する補助金の拡充や生活困窮者支援の財源として、2022年度予算の予備費から総額1兆5110億円を支出することを決定した。新型コロナウイルス対策予備費(5兆円)から1兆1170億円、一般予備費(約5000億円)から3940億円をそれぞれ拠出する。
予備費支出は、27日に決定した物価高騰への「総合緊急対策」の一環。一般予備費から、燃料価格抑制のため石油元売り会社に支給する補助金の5月分に充てる2774億円などを支出する。
コロナ予備費からは、自治体が生活困窮者支援などに利用する「地方創生臨時交付金」の拡充に8000億円を支出。低所得の子育て世帯を対象に児童1人当たり5万円を給付するために2043億円、中小企業を支援する「事業再構築補助金」に1000億円をそれぞれ充てる。
政府は、今回の支出を補充するため、今国会に提出する22年度補正予算案に追加の予備費として1・5兆円を計上する方針だ。これについて野党などが、国会の議決を経ずに政府の判断で使用できる予備費の乱用だと批判していることに対し、鈴木俊一財務相は閣議後の記者会見で「国民生活を守り抜くために必要だ。国会審議で丁寧に説明責任を果たす」と強調した。