苫小牧市植苗の観光庭園「イコロの森」が21日、今季の営業を再開した。事前取材で数日前に同園へ伺い、驚いた。毎年、冬期の休園中に苗を育てている大型ビニールハウスが、大雪の影響でほぼ全壊していたからだ。その状況は、18日付の本紙で紹介した。
2月に倒壊したが、雪解けが進んだ4月上旬からハウス内の約2万株の苗を救出。約9割が無事と分かり、スタッフ一同は胸をなで下ろした。ただ、倒壊直後は状況が分からず、工藤敏博代表も「2週間はぼうぜんとした」と明かす。
今後のハウス再建では、倒壊した従来の連棟式ハウスをやめる考えで、工藤代表は「苫小牧も雪質が変わった感じがする」と指摘する。苗の育成で化石燃料を多く使う現状を変える必要性を認識し、「SDGs(持続可能な開発目標)にももっと配慮したい」と意気込む。
イコロはアイヌ語で「宝物」を意味する。逆境をはねのけ、新たな財産になることを願いたい。(河)