苫小牧港・東港の通称「一本防波堤」が23日午前6時に正式オープンする。有料で開放する道内初の「釣り防波堤」。季節はまさにクロガシラガレイが岸寄りし、サクラマスが回遊するタイミング。期待が膨らむ。
開放されるのは苫小牧港・東港中央水路の内防波堤。全延長1030メートルのうち、立ち入りが規制されていた先端側約500メートル部分を釣りスペースとして利用できる。開放は土・日曜、祝日で当面は午前6時~午後3時。利用人数は最大100人で、新型コロナウイルスの感染状況によって上限を設けることもある。
昨年11月に行ったプレオープンの試験開放では40センチ超のクロガシラが数匹と大物のカジカのほか、良型のアブラコ、イシモチガレイ、小サバ、ガヤなどが上がった。シーズン最後期のため釣果のない人もいたものの、ポイントとしては平物、根魚に加え、春はサクラマス、夏はフクラギ、サバなどの青物もルアーやサビキで狙えるという。長く”開かず”のポイントだっただけに、釣り場としての可能性に関心と期待が集まりそうだ。
運営は地元の苫小牧港釣り文化振興協会(明村享代表理事)が担う。現地には既に入場券を発券する管理棟などを整備済み。料金は大人1000円、中高生500円、小学生300円(未就学児は入場不可)で、別に駐車料が500円掛かる。開放時間帯は監視員が常駐するほか、救命艇も待機して安全確保に努める。明村代表理事は「運用の在り方は今後、順次見直していく。将来的には各種イベントも考えている」と話している。
「釣り防波堤」は、苫小牧港の「釣り文化振興モデル港」の指定で実現した。苫小牧港管理組合と日本釣振興会北海道地区支部などでつくる団体が国土交通省のモデル港の呼び掛けに応募し、2020年8月に認められた。モデル港の取り組みを通して港湾施設の有効活用と港湾内の安全確保、釣り人と港湾関連業者、管理者とのトラブルの防止のほか、釣りマナーの向上などを図るのが国交省の狙い。本州では新潟港、熱海港、下関港などが先行して実施し、各種イベントの企画などを通してマリンレジャーの拠点化を図っている所もある。
問い合わせは日本釣振興会道地区支部、電話011(741)7712=アイビック内。詳細は、苫小牧港海釣り施設のホームページ(https://ippon-b.com/)で確認できる。