5~11歳の小児を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種が2日、苫小牧市内の医療機関で本格的にスタートした。予防接種法の努力義務は適用されていないが、初日から予約枠がいっぱいの小児科も。淡々と注射を受ける子どもが多く、付き添った母親らも「これでコロナを防げたら」と話していた。
市内9医療機関による個別接種で、米ファイザー製を使用する。12歳以上の初回接種(1、2回目接種)と同様、3週間の間隔を空けて2回打つが、ワクチン量は3分の1で、注射針の長さも短い。市は3月中旬に重症化リスクの高い基礎疾患がある児童に先行接種した上、同28~31日に一般の小児約1万人に接種券を送っていた。
日新町のたかやなぎ小児科(高柳直己院長)はこの日、小児約150人が接種した。看護師が「腕をだらっとして」と優しく声を掛けながら注射し、苫小牧日新小6年の久保桜大(おうた)君(11)は「一瞬、痛いと思ったけど、これまでの注射で一番痛くなかった。コロナにならなければいい」と笑顔を見せた。
苫小牧保健所によると、市内では新規感染者数の半数以上が20代未満で、家庭内でその親にうつるケースが目立つという。同院は小児接種が早期に進むよう、医療従事者らが残業しながら接種枠を確保しており、高柳院長(69)は「家族内で流行させないためにも、子どもに接種する意味はある」と話していた。
市は接種券とリーフレットを同封して送り、「接種は強制ではない。親子で案内を読んで、一緒に検討して」と周知している。
薬の飲み合わせなど接種前に不安のある人は、薬剤師が常駐する道の接種相談センター=フリーダイヤル(0120)306154=に、接種全般について知りたい人は市コールセンター=電話0144(82)9660=に相談する。