苫小牧市勇払にある勇払マリーナで計画している釣り堀は、早ければ4月下旬の正式オープンを目指して準備が進められている。現在、昨年行った試験オープンの課題を精査し、釣り堀の改良作業を進めているところ。施設の管理者は「新たなレジャー施設として地域から期待も寄せられている。応えられるように頑張りたい」と話している。
同マリーナの指定管理者、ベルポート北海道(本社苫小牧市)の自主事業。勇払地域の活性化に加え、マリンレジャーを体験するきっかけにと計画した。
施設は13メートル四方の「いけす型」浮き桟橋で、釣り場は手すりを備えた木製デッキ仕様。海中にネットを張り、その中を地元の苫小牧沖で釣れたアブラコやソイ、カジカなどの根魚を中心に、季節に合わせた多種多様な魚種を放つ計画となっている。
昨年10月に実施した試験オープンでは参加者に釣果が得られず、その後の調査で海中のネットと海底の隙間から魚が逃げ出した可能性が浮上した。全国の海上釣り堀は、ほとんどが水深のある袋状のいけすにタイやスズキ、ブリなど回遊性の高い魚を放流しているタイプが多い。同マリーナのような港内で水深の浅い海上釣り堀はまれ。確立されたノウハウが少ないこともあり、課題解決に苦戦している。「海底までカバーして袋状にした場合、根掛かりのリスクが大きく、釣りにならない可能性もある」と管理者は難題に向き合っている。
今のところ重りをくくるなどして網と海底の間に隙間が生じないようにする対策などを検討している。「これから実際に魚を放して試験し、海中カメラによる状況把握などを行って確かめる。春の大型連休までにオープンできるのが理想」(管理者)としている。
昨年から苫小牧港・西港の公共埠頭(ふとう)では釣りの規制が厳しくなっている。同マリーナの海上釣り堀は家族で安心して楽しめる新たな釣りスポットになるだけに、広く注目されそうだ。