白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)で20日、アイヌ文化体験行事「鹿笛作り」が開かれた。家族連れなどが参加し、アイヌ民族が狩猟の際に使った鹿笛の製作を楽しんだ。
ウポポイを運営するアイヌ民族文化財団が期間限定プログラムとして企画したイベント。会場の工房に各地から16人が集まった。
教室ではまず、ウポポイ職員がアイヌ民族とエゾシカの関わりについて解説した。肉を食用にしたり、毛皮を衣服や靴の材料にしたりと、余すことなく利用したことを説明。また、仕掛けわなや弓矢による狩猟方法や、シカの鳴き声に似た音を出しておびき寄せる道具「鹿笛」について詳しく紹介した。
その後、参加者はカツラを材料に鹿笛作りに臨んだ。彫刻刀で息の吹き出し口を掘り、震動音を出すエイ皮を貼るなどして完成させ、屋外で実際に吹いて出来栄えを確かめた。
母親と参加した札幌市の小学3年生の小林恒太君(9)は「作るのは難しかったけれど、鳴って良かったし、楽しかった」と笑顔を見せた。