旧富内駅 当時の姿そのまま保存 構内にも大正時代の面影

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  • 2022年3月12日
歴史的価値の高い旧富内駅

  穂別地区の市街地から10キロほど離れた場所にある「旧富内駅」。木造平屋建ての駅舎や石積み2段のプラットホーム、線路周りなどは当時の姿としてそのまま大切に保存されていて、在りし日の風景をそのまま感じ取ることができました。1986(昭和61)年に廃線となった後も「銀河ステーション」として残されており、地域づくりの中心となっている場所です。歴史的価値の高さから、駅全体が国の文化財になっているそうです。

   構内は至る所に大正時代の面影を残していて、駅舎の切符入れや腕木信号機などの備品は、高倉健さんと広末涼子さんが共演したことで知られる映画「鉄道員(ぽっぽや)」の小道具にも使われた―とされています。あいにく雪が深かったので、駅舎近くにある「天に向かう線路」を間近で見ることができませんでしたが、駅舎内、オブジェはこの時期でも見られます。当時、重要であった石炭、石油・クロム、そして木材の輸送がメインだったことも分かり、北海道の産業遺産としても貴重なものとして残し、若い世代の方々にも関心を持っていただけたらと思いました。

   地域住民の方からもお話しを伺うことができ、「春になると、駅舎近くの花壇にお花を植える」と聞きました。これは宮沢賢治が設計した西洋花壇「涙ぐむ目」を模しているもので、大人から子どもまで一緒になって花を植えて見守っているそうですよ。

   また大きなサクラの木もあり、春になると花を咲かせるそうで、「春にもいらしてくださいね」と声を掛けていただきました。ぜひ、お花を植えに行きたいですね!(金野英津子)

  =第2、第4土曜日掲載=

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