地図

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2022年3月5日

 地域と個々人の歴史を文章化した「穂別 高齢者の語り聞き史(昭和編) 大地を踏みしめて」が机上にあり、時々、取り出して開く。

 旧穂別町の職員らと高齢者が力を合わせ、2014年に出版した。圧巻は下巻末尾の「各地区住宅図」。約30枚の地図に市街地だけでなく農村部のまっすぐな道や曲がった枝道の先の一軒一軒に名字が書き込まれている。地図の時代は、製作に協力した住民らの記憶に残っている時のもの。昭和の初期から戦後までいろいろだ。人は記憶の中に書き込み自在の地図を持って生きていくものだそうだ。時代を共有している者が見れば、きっと一瞬で数十年の時間をさかのぼることができ、思い起こした風景の中から、懐かしい声が聞こえてくるかもしれない。

 地図の内容の変化は多くの場合、緩やかなものだが、洪水や大地震などの災害で家や道路の位置が変われば、新たな地図を作り始めなければならない。そんな時、古い地図は心の負担になって、消し去ることの難しい記憶の傷になったりもする。

 ロシアのウクライナ侵攻が続く。テレビには行政庁舎や軍事施設だけでなく学校や住宅がミサイルや戦車砲に破壊され、がれきの山になっていく様子が映し出される。原子力発電所も攻撃され、占拠された。120万人以上の子どもや母親、高齢者が難民となって隣国などに避難している。避難民の祖国とふるさとは、どんな地図になって記憶に残されるのだろう。(水)

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