礼儀

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2022年3月2日

 拳を握り締め胸を張って使われた「正義」という言葉が聞こえる気がした。国が旧優生保護法の下で、障害を持つ人たちに行った不妊手術に関する大阪高裁の判決だ。

 障害を持つ人を、一律に「不良」と断定し、子どもを産むことがないよう、あらかじめ不妊手術を行うというのが旧法の趣旨。時には、ついでのようにして子どもを産み育てる機会を奪う差別的で残虐な法律だった。国に賠償を求める訴訟が各地で起こされたが、手術の違法性は認められても、賠償は認められなかった。不正が行われて20年を経過した場合には損害賠償の責任を免じる「除斥期間」が、壁となって立ちはだかった。

 2月22日の高裁判決で裁判長はまず、旧法が「自己決定権を保障した憲法13条、法の下の平等を定めた憲法14条に反する」との判断を示した。除斥期間については「そのまま認めることは、著しく正義・公平の理念に反する」と断罪。知的障害や聴覚障害のある原告3人への賠償を命じた。強制不妊に関して国の賠償責任を認めた判決は初めてだという。判決要旨を読み返して、障害者差別の根の深さや罪深さ、恐ろしさを考えた。

 かなり以前、この欄に「自分の子どもの指の数を数えたことがない」と書いた記憶がある。新米記者の頃、毎週のように取材で訪れていた障害児者福祉施設の園生や特別支援学級の子どもたちの、笑顔と手の温かさに教えられた、命に対する最低限の礼儀だと思っている。(水)

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