苫小牧市は昨年12月から市保健センター(旭町)で展開してきた新型コロナウイルスワクチン初回接種(1、2回目接種)の「フォローアップ接種」を、4月以降は各医療機関での実施に移行することを検討している。現在は接種の日時や場所の選択肢が事実上同センターしかなく、1日60人の予約枠が常に埋まっているため、市医師会(沖一郎会長)と調整しながら医療機関での準備を進める。
市のワクチン接種は昨年11月末に個別・集団の初回接種を終了。同12月以降は3回目接種に移行し、初回接種を希望する市民に対しては「フォローアップ接種」の位置付けで、市保健センターでのみ受け入れてきた。
当初は1日当たり上限48人を考えてきたが、応募を始めるとすぐに定員が埋まったため、同60人に予約枠を広げてスタート。ところが希望は予想を上回り、市ホームページで接種日時を周知するたび、予約枠が早々に埋まる状況が続いていた。
このため市は4月以降、市民が接種の日時や場所を選べるよう、受け入れ可能な医療機関にフォローアップ接種を移行する考え。各医療機関が3回の接種を通じて事務作業などに習熟してきた点も判断理由で、市医師会と連携しながら医療機関の確保を目指す。
同市内で初回接種を終えた人は9日現在、13万4216人。対象の12歳以上市民に対する接種率は86・2%、全人口(17万人換算)に対する接種率も79%に達した。市は「未接種の市民がより接種しやすくなるよう、市医師会と協議しながら体制を整えたい」としている。