2021年度アイヌ文化奨励賞に選ばれた新ひだか町静内御園の秋田てるさん(73)への贈呈式がこのほど、秋田さんの自宅で行われた。アイヌ民族文化財団(札幌市、常本照樹理事長)が、アイヌ文化の保存・伝承に貢献した個人や団体に毎年、文化賞や文化奨励賞を贈呈している。
秋田さんは、幼少期からアイヌ模様などの刺しゅう文化に直接触れてきた経験を生かして民族衣装を制作し、伝統文化活動の普及・啓発に尽力した。シャクシャイン法要祭をはじめとする伝統儀式の運営や民族衣装制作など静内地方のアイヌ文化継承に欠かせない存在で、豊富な知識と経験で同地方のアイヌ文化伝承に積極的に取り組んでいる。
贈呈式には財団の常本理事長と阿部範幸事務局次長が訪れ、新ひだかアイヌ協会の菅原勝吉民族文化専門員らが見守る中、表彰状と副賞の記念品を手渡した。秋田さんは「奨励賞をいただき大変うれしい」と感謝していた。