日本野球機構の審判員・木内九二生さん(55)と話す機会があった。昨年6月に史上97人目の1500試合出場を達成したベテラン。
1989年大昭和北海道(白老町)入り。92年から6年間は日本野球連盟北海道地区連盟で審判の基礎を固めた。98年にプロ審判に合格、昨シーズンまで1537試合グラウンドに立った。
北海道は第2の故郷。伊藤大海、根本悠楓、河村説人、若林楽人―と胆振からのプロ誕生に笑み。特に白老出身の若林には「いい選手が出ましたね」と熱い視線を送る。
子どもたちや野球人に発信するメッセージは「礼儀・マナーでも一流を」。昨年はサブクルーチーフに昇格した。年齢的にビッグゲームでグラウンドに立つことはなくなったが、「モチベーションはまったく下がらない。まだまだうまくなりたい」と技術向上に意欲を燃やす。「辞めるまでプロでいたいし、この仕事を極めたい。審判も一年一年が勝負の厳しい世界。一つ一つ丁寧にジャッジすることだけですかね。悔いのないシーズンにしたい」と抱負を語る。
選手と同時に審判も1日からキャンプイン。「今年も初心に帰って」を心に刻み、緊張感に包まれながら宮崎県で始動した。「これからは審判を志す若い人材に伝える何かを勉強していく期間かもしれない」。プロの誇りと謙虚さから刺激をもらった。木内さんのジャッジにも注目する今季のプロ野球。(高)