胆振管内で新型コロナウイルス感染の急拡大が続いている。1月は前月比約180倍の1639人の感染が確認され、月別新規感染者数の過去最多を更新。苫小牧PCR検査センターも、同月のPCR検査数は464件と過去最多だった。特に苫小牧市は、道が発表した1月30日~今月5日の週別感染者数が705人に達し、4週連続で過去最多を更新。いまだにピークは見通せず、検査体制も逼迫(ひっぱく)している。
管内は1月以降、新たな変異株「オミクロン株」への置き換わりの進展を裏付けるように、1週間ごとに数倍ずつ増加。日別の新規感染者数も1月15日に過去最多の43人を確認して以降、今月6日まで10度にわたって過去最多を更新した。新たなクラスター(感染者集団)は1月に11件、2月に3件発生。成人式参加者2件をはじめ、高齢者施設5件、医療機関4件、事業所1件、幼保施設1件、事業所1件。うち9件が苫小牧市内だった。
苫小牧保健所によると、感染者は1月当初、無症状や、せきや喉の痛み、発熱など軽症が多数を占めた。年末年始に帰省した親族や友人との会食、成人式で集まった同級生同士など若い世代を通して感染が拡大。感染者数の絶対数が増えたことで、重症化リスクのある高齢者も感染する確率が高まっているのが現状だ。
発熱などの症状がある場合、かかりつけ医などに電話で相談し、検査が必要と判断されれば受診する流れ。苫小牧市医師会のPCR検査センターは1月、前月比約5・6倍の464件のPCR検査を実施した。昨年4月に現体制になって以降最多で、医療機関からの照会にすべて対応し、1日60件以上検査した日もある。
一方、医療機関によっては陽性判定のため抗原検査で代替しているケースもある他、有症状でかかりつけ医がいない人には「最寄りの医療機関」の相談も可とするなど、「医療難民」を出さないよう関係機関が連携している。医師会などは「第6波を乗り切るため、やれる限りのことをやる」と強調する。
苫小牧保健所も、感染者と同居していない知人や友人、職場などを疫学調査の対象から外すなど、業務の逼迫で対応の変更を余儀なくされた。同保健所は「重症化リスクのない方は、体の調子がいつもと違うと思ったら、まずは外出を自粛し、市販の風邪薬を飲んで、安静にしてほしい」と訴えている。