エースのバトン大舞台で〔メダルに挑む 苫小牧スマイル②〕―FW久保 英恵、FW志賀 紅音

  • メダルに挑む 苫小牧スマイル, 特集
  • 2022年1月29日
チーム最年長として集大成の五輪に挑む久保
チーム最年長として集大成の五輪に挑む久保
初代表ながら主力級の活躍が期待される志賀
初代表ながら主力級の活躍が期待される志賀

  アイスホッケー女子日本代表(スマイルジャパン)の北京冬季五輪に向けた強化では「得点力向上」が大きなテーマとなった。FW陣の中でも、チーム最年長39歳の久保英恵と得点源として注目される志賀紅音の2人は攻撃の要として期待が大きい。

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   「最後のチャレンジ。けがなく臨みたい」。長年スマイルジャパンの中心選手としてチームを引っ張ってきた久保は昨年12月、北京冬季五輪終了後の引退を示唆。以降の取材では「集大成」を強調する場面が多くなった。

   平昌五輪後の4年間で五輪に再挑戦するという思いが揺らぐことはなかった。「北京を見据えながら一年一年頑張ってきた。チームメートが『五輪をもう一度目指そう』と言ってくれたことも支えになった」

   2000年からトップ代表の一員としてコンスタントに数字を残してきた。昨年の世界選手権では6試合に出場し、3ゴールを挙げるなど活躍。北京五輪でも虎視眈々(たんたん)とゴールを狙う。「得点を求められる場面での起用が多いと思うので、しっかり結果を残したい」と意気込みを語った。

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   志賀紅音は初の五輪代表入りを果たし、姉の葵と夢の舞台に立つ。すでにチーム内でも主力の一人として目されている逸材。北京五輪では若きエースとしてのポジションを確立できるかが試されそうだ。

   平昌五輪は得点力不足が課題として浮き彫りになった。打開策の一つとして飯塚祐司監督は、当時DFだった志賀紅音にFWへ転向するよう打診した。「シュートを打ちたがる選手。チャンスがあったら遠慮なしに打てるので、よりシュート数が多いポジションで使った方がゴールシーンを描けると感じた」と意図を明かした。

   昨年の世界選手権では強豪の米国相手に「歴史的」な2ゴールを奪うなど鮮烈な活躍ぶりを披露しただけに、さらなる飛躍に期待が高まっている。飯塚監督もキーマンの一人に挙げるほどに成長した。

   昨年12月下旬に開かれた代表メンバー記者発表会で「ゴールに貪欲になってプレーしたい」と力強く抱負を語った。口にする言葉と表情はエースの風格を漂わせている。

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