厚生労働省の専門部会が26日、5~11歳を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種を、公費負担で進めることを了承したことを受け、苫小牧市も接種体制の構築を急ぐ。市内では小児約1万人が接種の対象に加わる計算で、市は市医師会(沖一郎会長)と協議し、早ければ3月にも個別接種(各医療機関)で始められるよう準備を進める。
市健康支援課は「国が決めた通りに接種機会を提供できるようにする」と説明。小児は「かかりつけ医」がいるケースが多く、接種も習熟度が必要なため、普段から小児ワクチンを接種している小児科医を中心に体制を構築したい考えだ。
小児への接種は米ファイザー製。市は現在進める3回目接種で、米ファイザー製は個別接種、米モデルナ製は集団接種(グランドホテルニュー王子)とすみ分けており、誤接種の防止にもつながる。
ただ、小児接種は早ければ3月に始まるが、同月から一般市民の3回目接種をさらに前倒しするよう国が方針を示すなど、医療機関もかつてない負担増が想定される。同課は「市医師会と協議しながらしっかり体制を整えたい」と強調している。
また、厚労省の分科会はこの日、小児接種で保護者に「努力義務」を課すかについて議論したが、結論は次回以降に持ち越した。同課は「保護者が判断するための材料、時間があまりにない」と懸念し「国の方針が決まり次第、その情報を基に、接種案内などを通して保護者に丁寧に説明したい」と話している。