Q…気温が上がった1月15日、苫小牧市の高丘森林公園に行くと雪上をピョンピョン跳び回る小さな生き物をたくさん見つけました。何でしょうか?
A…雪上を跳び回っていたのは、トビムシという昆虫でしょう。
トビムシは原始的な昆虫で、大きな種類でも5ミリほどしかなく、ほとんどの種類は1ミリから2ミリほどです。小さくてとても軽いため風に乗って移動することがあることも知られています。
冬の間、雪の下の落葉層(落ち葉が積もった所)などで越冬していますが、気温が上がると雪上に姿を見せることがよくあります。雪上に群れている姿から「雪虫」と呼ぶ地方もあります。春になり雪がなくなると、落葉層で活動するようになるため、目立たなくなります。
トビムシという名前は、驚いたり移動する時に跳び回ることに由来します。トビムシたちが跳ぶ方法はバッタやキリギリスと違い、丈夫な後ろ足を使って跳ぶのではなく、おなかの下に付いている跳躍板という器官を使って跳びます。跳躍板はばねのような仕組みになっていて、縮めた跳躍板を勢い良く伸ばすことで跳びます。
トビムシの食べ物になる落ち葉や朽木などは、最初にバクテリアや菌類によって分解され、その後トビムシなどの動物たちによって分解されて植物などの養分になります。つまり森の物質のリサイクルをしているのです。とても小さなトビムシですが、森林などの生態系で大きな役割を担っています。
(文とイラスト 自然誌研究家〈ゆうふつ原野自然情報センター主宰〉村井雅之)=随時掲載