高校総体の第71回全国高校スケート・アイスホッケー競技選手権大会が18~21日、青森県八戸市などで開かれた。新型コロナウイルス禍で2大会連続の無観客開催となった中、アイスホッケーは駒大苫小牧が3年ぶり32回目の優勝。スピードスケートでは、駒大苫勢が連日の入賞劇を見せた。
■アイスホッケー
歴代最多の優勝回数を誇る駒大苫が、目を見張る強さで頂点へと駆け上がった。釧路江南、釧路工業、清水と準決勝までの3試合をいずれも2桁得点で快勝。特に森田琉稀亜主将、荒木零士、花田匠両副主将のチームを引っ張る3年生FWが3試合で計18点と目覚ましい活躍ぶりだった。
前回高校総体を皮切りに、昨年は一度も勝てていなかった武修館との決勝。第1ピリオドに石田聖弥(2年)、大久保魁斗(1年)の下級生FWが得点しチームに勢いをもたらした。第2ピリオドにはDF木村祐翔(3年)、FW荒木の釧路鳥取中卒コンビが数的優位なパワープレーの好機を逃さず加点。「いいところで決めてくれた」と桶谷賢吾監督が目を細める値千金のゴールだった。
守備では1試合平均1・5失点。全試合に先発したGK米津碧海(3年)の好守はもちろんだがFW、DFの体を張ったシュートブロックは称賛の一言。味方に好プレーが出るたび沸き上がるベンチの一体感も3年ぶり王座奪還の大きな原動力になった。
北海道栄は3年ぶりの8強入り。埼玉栄との3回戦は第1ピリオドに5失点したことが響いて敗れたが、2ピリ以降は持ち前の一体感を持った攻守にわたるハードなプレーで互角の戦いを演じた。
■スピードスケート
駒大苫が連日の入賞に沸いた。大会初日の18日、オープニング種目となった男子5000メートルで引地朔野(2年)が7位に入ると、2日目の男子1000メートルでは主将の鮫川友希(3年)が見事3位で銅メダルを獲得した。
最初の200メートルこそ慎重な入りだったが、その後はスピード感のある粘りの滑りを披露した。右足を目いっぱい伸ばしながらゴールラインを通過し、持ちタイムが速い同走者に競り勝つと思わずガッツポーズ。「うれしかった」と喜びを爆発させた。
女子では森野こころ(3年)が2日目の3000メートルと3日目の1500メートルで2大会ぶりとなる個人2種目入賞。昨年冬に負傷し満足のいく練習が積めない時期を過ごしながらも、不屈の精神で最後の高校総体に間に合わせた。
団体4種目が行われた最終日には鮫川、引地、船崎優太(1年)の3人で挑んだ男子団体追い抜きで見事初優勝。昨年12月の道大会で6秒近く差をつけられ敗れた優勝候補の白樺学園を、0秒31差でかわした殊勲の滑りだった。