全国高校総体のスケート・アイスホッケー競技選手権大会最終日は21日、青森県八戸市などで各競技が行われた。スピードスケートは、男子団体追い抜きの駒大苫小牧(鮫川友希、引地朔野、船崎優太)が4分2秒62で初優勝。男女の2000メートルリレー、女子団体追い抜きでも駒大苫勢が入賞した。アイスホッケーは決勝が行われ、駒大苫小牧は5―2で武修館を下し3年ぶりの頂点に立った。
【スピードスケート】
男子
▽2000メートルリレー (6)駒大苫小牧(佐藤来信、鮫川友希、清水隆太郎、船崎優太)2分34秒01=リンク新=▽団体追い抜き (1)駒大苫小牧(鮫川友希、引地朔野、船崎優太)4分2秒62
女子
▽2000メートルリレー (5)駒大苫小牧(小村唯、居城真衣、森野こころ、中山萌)2分50秒09▽団体追い抜き (8)駒大苫小牧(森野こころ、小村唯、居城真衣)3分25秒13
【アイスホッケー】
▽決勝
駒大苫小牧5―2武 修 館
▽得点者【駒】石田(森田、福田)大久保(森田、高橋)木村(山口)荒木(山口、高崎)鈴木(森田)【武】村瀬(大和)小川(大和、村瀬)▽GK【駒】米津【武】大塚▽シュート数【駒】52【武】37▽反則【駒】29分【武】10分▽パワープレー得点【駒】2【武】2▽キルプレー得点【駒】0【武】0
駒大苫は第1ピリオド7分すぎにFW石田のゴールで先制。9分すぎにはFW大久保が強烈なミドルシュートを決めて2点目を挙げた。第2ピリオドには数的優位なパワープレーで2点を追加するなど、終始試合の主導権を握った。
ー優勝、本当におめでとう
岩倉博文・苫小牧市長のコメント 3年ぶりの優勝おめでとうございます。コロナ禍の中、練習環境や観客制限もあるなど、これまでと違った状況下でのチームづくりには、相当な苦労もあったことと思います。氷都苫小牧のプライドを背負い優勝したことに、市民を挙げて喜んでいます。今後は、目標を高く練習に励み、世界と戦える選手に育ってくれることを期待しています。優勝、本当におめでとう。
―勝利引き寄せた「堅守」
栴檀林(せんだんりん)、栴檀林―。激闘を終えた氷上に、駒大苫の校歌が高らかに響いた。くしくも最後に優勝した2019年大会と同じ八戸の地で上げた久々の勝ちどきは、ひときわ大きく勇ましかった。
「まずは守りから」。20日の準決勝後に副主将のFW花田(3年)が語っていたように、選手全員が体を張った守りを見せた。武修館が得意とする細かいパスをつなぎながらスピードのある攻めをさせないよう、リンク中央付近をFW、DFが絶妙な間合いを取りながらケア。自陣に攻め込まれれば果敢にシュートブロックに入り、決定機を何度もつぶした。
優勝した昨年12月の道大会決勝をほうふつとさせる仲間の献身的なプレーに奮起したのはGK米津(3年)。「自分もしっかり止めて期待に応える」と数的不利なキルプレーで失点こそしたが、終盤の猛反撃を防ぎ切るなど勝利に大きく貢献した。
昨年8月の全国選抜大会で2―3、11月の北海道選抜大会では0―4と今季一度も勝てていなかった武修館を3度目の正直で見事に撃破。「常勝駒沢」の復活を祝うにふさわしい日になった。
―主将・森田「チームの支柱」
駒大苫の頼れる主将・森田(3年)が、チームを3年越しの日本一に導いた。20日の準決勝でハットトリックの活躍を見せたと思えば、決勝では司令塔のCFとして味方を生かし計3アシスト。すべてを次代を担う後輩たちの得点につなげ、「よく決めてくれた」と相好を崩した。
1年時に高校総体の決勝を経験しているが、昨年は準決勝で武修館に敗れた。下級生は優勝を懸けた大舞台の雰囲気を知らない。「いかに冷静さを保てるかが大切になる」。試合中、小まめに声を掛ける森田の姿が印象的だった。
昨年12月の道大会は高橋、高崎の2年生DFと共にU20世界選手権(エストニア)の日本代表に選出されたため不参加。新型コロナウイルス感染防止のため、隔離期間を経て今月3日の練習からようやく合流すると「プレッシャーの速さや敵陣でのパックキープ力が格段に上がっていた」仲間たちの成長に目を見張った。
釧路江南、釧路工業、清水と準決勝までの3試合すべてで2桁得点。守備では1試合平均1・5失点と攻守に圧倒的な力を見せつけた。「後輩たちにもいい影響を与えられた」と駒大苫の将来に思いを巡らせた森田。優勝後、次の主将を担う石田(2年)を引き寄せ「来年も優勝しろよ」とバトンを託した。