胆振総合振興局は12日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、同感染症対策地方本部員会議を開いた。胆振管内の感染状況を報告し、特に苫小牧市で感染が急拡大していると指摘。同市の人口10万人当たりの週合計感染者数は11日現在、15・3人に上り、感染者数に関しては道の移行指標レベル2(同15人)に相当する。関係者は危機意識を共有し、市民に基本の感染対策徹底を求めた。
昨年9月30日以来、約3カ月ぶりの会議。胆振管内は「第5波」による国の緊急事態宣言の解除以降、新規感染者数が昨年10月はゼロ、同11月は3人、同12月は9人と沈静化していたが、年明けから感染者が急増した。1月は11日現在32人で、前回宣言中だった昨年9月の56人に迫る勢い。検査数(週合計)も昨年9月上旬の約2800人をピークに、同10月以降は週500~900人台に落ち着いていたが、年明けに1000人を超えた。
人口10万人当たりの週合計感染者数は11日現在、胆振管内8・4人に対し苫小牧保健所管内(東胆振1市4町)は13・6人、うち苫小牧市が15・3人と高くなっている。年代別では、30代までの若い世代が46%、40・50代が11%、60代以上が43%。ワクチン2回接種済みが半分を占める一方、未接種も4分の1ほどだった。
苫小牧保健所の柴田みゆき次長は感染者の行動歴を「年末年始に帰省した親族や友人との会食、成人式で集まった同級生同士など、特定はできないが関連があると思われる」と分析。▽発熱しない▽せきやくしゃみなど症状がない―などの感染者も目立つとし「倦怠(けんたい)感や体の調子がいつもと違う人は気を付けて」と呼び掛けた。
谷内浩史振興局長は「特に苫小牧で感染が拡大している」と懸念し「高い警戒感を持って対応する。検査体制の確保、健康観察の支援など、保健所業務が逼迫(ひっぱく)する場合、振興局各課から応援する」と強調。新たな変異株「オミクロン株」の広がりも想定される中、市民に「マスク着用など基本的な感染対策の徹底をお願いしたい。不安な人は道事業の無料検査を利用して」と訴えた。