鈴木直道知事は4日午後に記者会見し、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者1人が道内で初確認されたと発表した。関西在住の40代男性で、札幌市に帰省中に感染が分かった。知事は「濃厚接触者が特定されており、市中感染ではない」との見方を示したものの、オミクロン株について「デルタ株と比べて感染力が強い」と述べ、3密の回避など基本的な感染防止対策の徹底を道民に呼び掛けた。
道によると、感染した男性は昨年12月27日、関西方面から航空機で来道。その日に関西地方で接触のあった知人からコロナに感染したと連絡があったため、札幌市内でPCR検査を受けたところ、陽性が判明。その後、札幌市衛生研究所でゲノム解析を行い、4日にオミクロン株の感染が確認された。現在、札幌市内の医療機関に入院しており、症状は軽症。ワクチンは2回接種していたという。
知事は「患者の道内の行動歴から不特定多数の人との接触は見られない」と説明。帰省の際に航空機を利用しており「機内の一部搭乗者、患者の家族が濃厚接触者と特定されている」と述べ、関西在住の仕事関係者を含め約20人の濃厚接触者のうち、道内滞在者についてはPCR検査で今のところ全員の陰性を確認している。経過観察のため、札幌市内の宿泊療養施設に隔離される。
道内初確認を受けて知事は「オミクロン株の警戒を高めていかなければならない」と強調。今後も「監視体制、スクリーニング検査、ワクチン3回目接種の前倒しのサポート、経口治療薬(飲み薬)の提供支援にしっかり取り組んでいきたい」と述べた。また、市中感染が確認された場合、道内で誰でも無料検査が受けられるよう「国と協議している」と明らかにし、「速やかに実施したい」との姿勢も示した。