第89回全日本アイスホッケー選手権大会A第1日は16日、長野・ビッグハットで1回戦が行われた。ダイナックスが3―1で中央大に競り勝って2回戦進出。横浜グリッツ、日本製鉄室蘭も初戦を突破した。
▽1回戦
ダイナックス3―1中 央 大
▽得点者【ダ】山野下(小原、牧口大)福島(牧口祐、山野下)府中(大場)【中】矢島(小原、長岡)▽GK【ダ】大澤啓【中】石川
日本製鉄室蘭6―2関 西 大
▽得点者【日】阿部魁、村上(阿部魁、切江)野澤(脇本)阿部魁(横山、切江)工藤翔(岩槻、谷)工藤卓(岩槻)【関】高秀(佐々木隆、熊谷天祐)嶋野(神山、鈴木)▽GK【日】山口【関】石田
横浜グリッツ8―4釧路厚生社
▽得点者【横】鈴木(角舘、石井)川村(鈴木)矢野(熊谷)濱島(キム)松渕(矢野)熊谷(矢野)鈴木(川村)濱島(金子、熊谷)【釧】木戸(田川)今橋(小窪、伊藤)田川(木戸、伊藤)田中(小窪、今橋)▽GK【横】黒岩【釧】水田
―守備の粘りで死闘制す
ダイナックスが死闘を制した。運動量豊富な大学生相手に42歳のベテランGK大澤啓を中心に粘りの守りを見せると、第3ピリオドに勝ち越し点を決めたのはDF福島(24)。自ゾーンから「狙って走り込んだ」と一直線に相手ゴールへ向かい、リバウンドをたたいた。「接戦で決めることができてよかった」と相好を崩した。
先制するも、シュート数は2ピリ終了時点で倍近い差がつくなど苦しい場面が多かった。「最後まで体力が持つか不安はあった」と大澤洋監督。数的不利なキルプレーの状態で迎えた3ピリ28秒には同点に追い付かれた。
ただ、そこからが強かった。シンプルな攻めで中大ゴールにパックを集め、3ピリだけで20本ものシュートを放つと、守備では体を張ったシュートブロックで相手シュートをわずか5本に抑えた。福島は「全員が最後まで集中できていた」と話した。
2回戦で待ち受けるのはアジアリーグ所属の東北フリーブレイズ。2018年大会では1ピリこそ同点で終えるも、その後は防戦一方で3―8で大敗している。大澤洋監督は「社会人の意地を見せたい」と意気込んでいた。
―GK石田 インカレへ「いい経験」
苫小牧市出身の関大守護神・石田(4年)が、社会人王者の日本製鉄室蘭相手に奮闘した。「後輩たちにプロチームとの戦いを経験させたい」と最後まで体を張り続けた。
「パスやシュートフィニッシュの正確さが学生よりも格段に高かった」と社会人の洗礼を受けたが、見据える25日開幕のインカレファーストディビジョン(帯広市など)に向け「いい経験になった」と前を向いた。
明徳小6年時に苫小牧Westアイスキングの一員として全道制覇。白樺学園高3年時には、現レッドイーグルス北海道の小林斗威らと共に全国高校総体優勝を果たした。
関大では1年から主力を担うもインカレは2018年、19年と2大会連続で準々決勝敗退。昨年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止になった。「毎年悔しい思いをしている。3大会ぶりにベスト4入りして、シード権を勝ち取りたい」と意気込んでいた。