暗い気持ちになりがちな昨今だが、今年は取材先の若者に元気をもらうことの多かった1年だった。特に2人の若者からたくさんのパワーをもらった。
一人は北星学園大学で社会福祉を学ぶ”りな”さん。りなさんは「時代に合った性教育が必要」と考え、性教育について学ぶ場づくりを苫小牧市住吉コミュニティセンターに提案。3月に同センターで性教育座談会を実現させ、自ら講師となって国内外の性教育の現状を伝えた。
りなさんには高校生だった頃にも取材でお世話になった。高校のボランティア局に所属していたりなさんは、仲間と一緒に小学生向けの活動を次々に展開。取材を重ねながら、ずば抜けた企画力と行動力に感心したことを覚えている。
その頃から変わらないひたむきさで、たくさんの人たちの前に立って性教育に対する思いを堂々と語ったりなさん。「私たちは本当に知るべきことを教えられていない」と訴えるその姿はとても頼もしく、胸が熱くなるのを感じた。
そしてもう一人は、プロのカードマジシャンを目指して日夜技の習得に励んでいる19歳の”Yu―ki(ユウキ)”さん。ユウキさんは11月、自身初のマジックショーを市内で開いた。2年前から追い掛けてきたユウキさんの晴れ舞台を、興奮と緊張が入り交じった複雑な感情で取材した。
リハーサル時のたどたどしさとは打って変わり、本番では客を魅了する素晴らしいマジックを披露。カードが目の前で出たり、消えたりする妙技もさることながら、客を飽きさせないステージ構成も素晴らしく、最後にはカメラを置いて客と一緒に拍手を送っていた。
2022年は、若い人からどんなパワーをもらえるだろうか。今から楽しみで仕方がない。(姉歯百合子)