(6) 「給食センターからの愛」 苫小牧明倫中3年 高橋(たかはし) 芽衣(めい)さん

  • 特集, 苫小牧学校給食作文コンクール
  • 2021年11月25日

  キーンコーンカーンコーン。授業が終わり何気なく始まる給食の準備…。

   皆さんは、給食を楽しみに毎日登校していますか。私は、小学校入学当時の頃、給食は少し苦手でした。幼児期に食べていた母のお弁当の味に慣れ親しんでいたせいでしょうか。毎日、給食を完食できずに残してしまう日々を過ごしていました。

   その後、小学校の授業で、給食について学ぶ機会がありました。そこで私は、給食にはたくさんの方が私たち児童のために栄養や食事のバランス、各地域の名産品を取り入れるなど、工夫をして提供していただいていることや、残された給食の残食率を調査し、私たちがおいしく楽しく給食を食べられるように考えて提供してくれていること。廃棄されてしまう給食がどの位の量なのかも教わりました。それから私は、「これじゃ駄目なんだ!」っと心から痛感しました。見たことがない料理に手を付けなかった自分に、見た目だけで苦手だと食べなかった事に、すごく悪いことをしてしまっていた、と思いました。

   給食は、「皆で班を作り、友達とワイワイ楽しく食べる」では足りず、「皆で残さないように楽しく食べる!」に、考え方が変わりました。残念ながら今はコロナ禍なので、班を作ることも、おしゃべりもできず、少し寂しい給食の時間ではありますが、それでも、給食関係者の方々の愛情は給食から受け取り続けています。そんな給食が食べられるのも、私は残り半年ほどとなってしまいました。9年間お世話になる給食です。目には見えない愛情に何も気が付かずに過ごすのは、とても寂しいことです。もし、今、「私、給食苦手だな」って人がいるなら、私は給食がどんなふうに考えられて作られているかを知ってもらいたいです。

   食を通して、学ぶことは多くあり、その身近にあるのが給食だと、私は思います。ただ、与えられた物を何も気に留めずに食べるだけでは、学べることは何もありません。なので、もっと給食のこと、給食の材料を提供する農家の方々のこと、給食の残食を含む世の中の食品ロスまで、私はもっと知る、教える、一緒に考える食育が必要なのではないかと思います。

   給食センターへの見学など、社会科学習を通して知る機会が、給食を身近に感じ、また、違う気持ちで給食の時間を楽しく過ごすことができる良い機会であったことに感謝しています。

   皆さんはご存じでしょうか。苫小牧市のホームページで学校給食の人気メニューのレシピを公開してくれています。普段、給食を食べられない親や祖父母に作って食べさせてあげたり、一緒に作ったりすることもすてきな食育の一つですね。

   9年間、私の身近にあった給食に感謝をして、私は中学校を、そして給食を卒業します。

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