苫小牧沖の秋のカレイ釣りで良型の便りが届いた。釣り倶楽部の情報協力船「かつえい丸」(田代健二船長)の乗船者が釣り上げたババガレイ(ナメタガレイ)とマガレイだ。これら魚種で40センチオーバーは立派なサイズ。釣り上げた愛好者は手応えを楽しみ、同乗者らも船釣りの面白さを再認識した。
苫小牧沖の船釣りでは珍しいのがババガレイ。かつて苫小牧港・東港の沖防波堤への船渡しが行われていた20年ほど前には、防波堤際のちょい投げで釣果が聞かれたが、狙って釣るのは難しいターゲット。東北地方では年越しに欠かせない食材で、これからの旬は価格が高騰する。太公望憧れの魚だ。
これを物にしたのは空知管内由仁町の板東孝和さん。かつえい丸乗船40余年のベテラン。今月上旬、今季13回目のカレイ釣りで沖に出た。水深20メートルラインでぽつぽつと小型のソウハチ、マガレイを上げていたが、ポイントを変えて水深35メートルラインに移動した直後にいきなり強い当たり。強引に差し込む引きを楽しみながら上げた魚は40センチ超のババガレイだった。「良型ババガレイは40年来船に乗って初めて」と大いに興奮の板東さん。大満足の釣行となった。
さらにこの日は、船釣りで近年大物の釣果が減っているマガレイの良型も。40センチオーバーが苫小牧市の医療従事者、菊池はるみさんのさおにヒットした。
沖上がり3分前、「いきなりさおが持っていかれそうになってびっくりした。引きが強くて重たくて、立ち上がって慎重にリールを巻いた」と強烈な当たりに耐えてのビッグフィッシング。同乗の仲間や釣り人の祝福を受け、大団円を迎えたような釣りに大喜びだ。
田代船長のアドバイスを受けて仕掛けを片てんびんに替え、「餌を残しても仕方がない」と考えてイソメと紅染めイカの短冊をたっぷりと相掛けにしたのが奏功した。
今季はイカ釣りで沖に出て楽しい思い出をつくったばかりの菊池さん。「釣って楽しく、食べておいしく、釣りは最高。今度はサクラマス釣りにトライしたい」と意気はますます軒高だ。