Q…オオハクチョウとコハクチョウはどこで区別できますか?
A…勇払原野で毎年見られるハクチョウの仲間には、飼い鳥が逃げ出して定着した外来種のコブハクチョウ、冬鳥や旅鳥として飛来するオオハクチョウ、コハクチョウ(亜種にアメリカコハクチョウ)の3種類がいます。
額に大きなこぶのあるコブハクチョウは簡単に識別できますが、オオハクチョウとコハクチョウは似ているため識別が難しいと思われています。慣れると遠くにいても鳴き声やシルエットなどで区別できるようになりますが、最初はくちばしにある黄色い部分の形や大きさの違いを目安に識別すると良いでしょう。
くちばしにある黄色い部分が鼻の穴まで届く大きな三角形をしていればオオハクチョウ、黄色い部分が小さく、鼻の穴まで届いていなければコハクチョウです。
年中ウトナイ沼などで見られるコブハクチョウは、函館の大沼公園で飼育していたものが逃げ出して増えた外来種です。ウトナイ沼などで繁殖し、冬になると大半が本州方面へ南下して越冬します。一方、オオハクチョウはシベリア方面から飛来し、一部が越冬するものの、大部分はウトナイ沼などを中継地として本州以南に渡って越冬します。コハクチョウはオオハクチョウよりさらに北の北極海沿岸から飛来し、ウトナイ沼などを中継地として本州以南に南下して越冬します。
真冬の勇払原野ではコブハクチョウとオオハクチョウしか見られませんが、11月はコハクチョウもオオハクチョウも見られます。
ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之=随時掲載