東京五輪医療スタッフ体験記~元自転車競技選手木賊弘明さん(9)チャンスあれば、もう一度

BMXフリースタイル・パークの男子日本代表中村輪夢選手と

 最後の稼働となった8月1日は、BMXフリースタイル・パークの決勝を担当した。何かやり残したことはないか、憧れの五輪舞台に忘れ物はないかと考えながら会場入りしたが、やはり目まぐるしい1日を送り、それどころではなかった。

 BMXの試合会場だった有明アーバンスポーツパーク=江東区=ではスケートボードも行われ、同競技の医療スタッフと医務室を共有していた。パーク種目の医療従事を残す仲間たちのために部屋内を整頓し、全ての業務が終了した。

 自分にとって五輪は、例えるなら東京ディズニーリゾートのような夢の国。喪失感はとても強かった。帰宅後、毎日のように五輪をテレビ観戦。金メダルを懸け繰り広げられる熱い戦いはもちろん、「MEDICAL」と印字された赤色ビブスを着た医療スタッフを画面上で探しては、うらやましがる自分が居た。

 持てる力以上を発揮しなければならないプレッシャーをひしひしと感じながらの日々は、とても刺激的だった。新型コロナウイルスによって開催が1年延期され、さらに賛否両論ある中で行われたスポーツの祭典。心の中でさまざまな感情が交錯したのも事実だが、感染症対策を施しながら五輪開催を完遂できたことは本当によかったと思う。

 2019年の国民体育大会(茨城県)で出場10回の節目を最後に自転車競技から引退した。選手としての五輪参加はかなわなかったが、作業療法士の資格を生かして五輪に携わり、掛け替えのない経験ができることを知った。現在は北海道科学大高校(札幌市)の自転車競技部で外部コーチを務めている。将来を担う生徒たちには、夢をかなえる選択肢は決して一つではないことを伝えていきたい。

 五輪は新しい目標も与えてくれた。医療従事中、スタッフ仲間との会話でアジア競技大会(2026年、愛知県)が話題になった。「またこのメンバーでBMX競技を担当できたら、いいよね」。チャンスがあれば、もう一度世界レベルの場で選手たちを支えたいと思っている。(終わり)

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