Q…ドングリの中にいる幼虫の正体は?成虫はどんな姿になりますか。
A…ドングリを拾って帰り、しばらくすると幼虫が出てくることがあります。
出てきたのは、ドングリの中身を食べて成長したコナラシギゾウムシなどの幼虫です。
コナラシギゾウムシは体長8ミリから10ミリほどのシギゾウムシの仲間で、口吻(こうふん)がシギ(野鳥)のくちばしのように長く曲がっていることから名前が付けられました。コナラシギゾウムシが産卵するのは、コナラやミズナラ、カシワなどのドングリです。ドングリの中身を食べて成長した幼虫は、秋になりドングリが地面に落ちると、ドングリに2ミリほどの穴を開けてはい出てきます。出てきた幼虫はすぐに地面に潜って土の中で越冬します。
ドングリから出てくる幼虫(通称ドングリムシ)には、コナラシギゾウムシなどの甲虫の他、ガの仲間などが知られています。
ドングリムシは、容器の中に入れたままにしておくと乾燥して死んでしまうので、拾ってきた森林や公園に帰してあげると良いでしょう。そのまま観察したい場合は、湿った土を入れた瓶などに入れて直射日光の当らない場所に置き、土が乾燥したり凍らないようにしおきましょう。上手に越冬させることができれば、初夏に成虫を見られるかもしれません。ただし成虫になるまでに2年ほどかかるものもいます。成虫になる時期はドングリの実る量と関係しているようです。
(文とイラスト ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之)=随時掲載