秋が深まり根魚狙いのロックフィッシングも夏枯れからハイシーズンに突入するタイミング。今年は新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で釣りを自粛する人も多い中、解除後に新たな挑戦はどうだろうか。釣り倶楽部担当がその魅力を紹介したい。
◇手軽なロックフィッシング
ロックの魅力は何よりその手軽さだ。さおとリール、ルアーを手に最小限の装備でフィールドを歩きながら釣りができる。対象魚は港や磯、沖とあらゆる場所に存在し、新規開拓の楽しさもある。
釣れる魚のサイズは20センチ前後のガヤから50センチ超のソイやアブラコまでさまざま。釣って楽しい、食べておいしい魚ばかりだ。特に胆振管内は魚種もサイズも豊富な第一級フィールド。1年を通して楽しめるだけに、普段は別の釣り方を楽しんでいる人にも気分転換に手を伸ばしてほしい。
◇仕掛けは簡単
ロックでは主にゴムのようなプラスチック製のルアー「ワーム」を使用する場合が多い。小魚やエビなど、根魚が捕食対象とする生き物を模しており、取り合えずはこの2種類を一つずつ用意しておけば大丈夫。サイズも1インチほどから5インチ以上と豊富だが、担当は港内ならば2~3インチ、磯など魚が豊富なフィールドは3~4インチ、ボートロックなら4~5インチと分けている。集め始めると切りがないため、初心者は魚の大きさを問わず数釣りが期待できる2インチ前後をお薦めしたい。
仕掛けは重りと針が一体となった「ジグヘッドリグ」が最も手軽。ワームのパッケージなどに書かれている通りにセットし、後は投げて巻くだけ。小魚を模した「シャッドテール」や「ピンテール」タイプは仕掛けが着底後、根掛かりに気を付けつつ、海底から50センチほどを真っすぐ泳がせるイメージが最も簡単で効果的。日によっては魚がいる深さ(棚)が違うので、そこを探し当てるのも楽しみだ。
エビなどの甲殻類を模したタイプは、仕掛け着底後にそのままにする「ステイ」や海底を軽くたたくように動かす「ポンピング」が有効。ただ、海底を直接攻めるため、根掛かりが多いのがデメリット。その場合は針先が隠れて根掛かり対策に適した「テキサスリグ」が有効。障害物や海藻類が多いフィールドでは必須となるため、慣れてから挑戦すると釣りの幅が広がって楽しさは倍増する。
最初は「極力動かさない」のがこつ。高活性ならば問題ないが、動かし過ぎは魚に違和感と警戒心を植え付けてしまう場合も多い。一度警戒心が高まると数時間は反応がなくなることもあるので注意したい。
◇ハードルアーも面白い
根魚は川やバスフィッシングなどで使用されるハードルアーでも狙える。担当は比較的海面への警戒心が薄れる夜の釣りで使用する場合が多く、岸壁の外灯付近で釣りをする際は、水面で魚がルアーを捕食する瞬間が見えることもあって楽しさは倍増する。風が強い日は金属製の「ジグ」や「バイブレーション」も有効。ワームにすれた魚に効果的な場合もあり、新しい釣り方を求めている人にもお薦めしたい。
◇まずは港へ
苫小牧は道内有数の魅力的な釣り場。どこでも釣れると言っても過言ではない。特に西港のキラキラ公園や入船公園、勇払マリーナは岸壁に柵が設置されており、公衆トイレもあって家族連れが安心して楽しめる。ライフジャケットなどを用意した上で、周囲に注意しながら安全にロックフィッシングを楽しんでほしい。