岩手県花巻市の川村酒造が四半世紀前の1996年に製造した宮沢賢治生誕100年記念酒「賢治バッグ」が、苫小牧市王子町の斉藤征義の宮沢賢治と詩の世界館で展示されている。
苫小牧ゆかりの詩人で賢治研究の第一人者だった故斉藤征義さんの自宅=千歳市あずさ=で、妻啓子さん(79)が賢治の命日の21日に見つけた。「今年は賢治の生誕125年。賢治をしのぶきっかけにしてもらえたら」と同館に寄贈した。
瓶は、バッグの形をした高さ約15センチの陶製。コルク栓の上に「直詰厳封之証」と書かれたシールで封がされ、製造年月は「1996年9月」。紙の箱には「宮澤賢治生誕一〇〇年」のシールが貼られており、同酒造の担当者によると「この年に量産していた限定商品。どれくらい製造したかは分からないが現在取り扱いはなく、未開封品は珍しいのではないか」という。
寄贈を受けた丸山伸也館長(69)は「10月1、2日に予定している北の賢治祭で飾りたい」と喜んでいた。