Q…鳴きながら飛ぶ野鳥の群れをよく見掛けます。何という野鳥でしょうか?
A 鳴きながら群れで飛んでいる野鳥は、ムクドリやコムクドリだと思います。日本で見られるムクドリの仲間は、ムクドリとコムクドリ、ホシムクドリ、シベリアムクドリの4種類ですが、普通に見られるのはムクドリとコムクドリです。ムクドリは全長(くちばしの先端から尾羽の先まで)24センチほどで、コムクドリはムクドリよりも少し小さく見え、体も白っぽいのが特徴です。ムクドリやコムクドリは明るい林に生息していて、人家や納屋の隙間などで子育てをします。子育てが終わる7月中旬になると、若鳥が加わった大きな群をつくるようになります。群れは市街地でも見られ、「リャーリャー」と鳴きながら飛び回る姿などが見られます。
30年ほど前には、冬にムクドリやコムクドリを見ることはできませんでした。しかし、現在では200羽以上のムクドリが苫小牧市の市街地などで越冬するようになりました。本州以南で越冬していた野鳥が南下しないで越冬するようになったのは、都市環境の温暖化(ヒートアイランド現象)によると考えられています。
農作業を見ていると、カラスなどと一緒に、ムクドリの群がトラクターの後をついて歩き、昆虫などを捕まえている姿を見ることがあります。この様子を見ていた農民の野中兼山は、害虫を食べてくれるムクドリを守ることを思い立ち「ムクドリは千羽に一羽、毒を持つ」といううそを流して、ムクドリを保護しようとした、という昔話があります。
(文とイラスト ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之)=随時掲載