釣り防波堤として有料開放することが決まっている苫小牧港・東港の通称・一本防波堤(内防波堤、延長約1030メートル)。当初は2021年夏のオープンを掲げていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で遅れている。現在は来春の”本格開放”を目指して準備が進められており、年内は1日限定の試験開放となりそうだ。
昨年、安全を確保した有料釣り施設として防波堤などを開放できる「釣り文化振興モデル港」の指定を受けた。苫小牧港管理組合が、日本釣振興会などと共に国土交通省のモデル港2次募集に応募し、釣り防波堤の事業案を申請した。道内港では初めて。全国では18年度から始まり、新潟港、熱海港、下関港などで展開されている。苫小牧港では現在、東港の一本防波堤の先端側500メートルが立ち入り禁止となっており、この先端側を有料開放する。
管理組合と日釣振北海道支部などでつくる「苫小牧港海釣り施設協議会」が事業を計画し、開放後は勇払地区の住民と同振興会などでつくる一般社団法人が釣り防波堤の管理・運営を担う。利用料金や駐車料金収入で運営する。
関係者は当初、今夏のオープンを目指していたが、コロナの感染拡大により事業に影響が出た。緊急事態宣言で釣魚の適期に合わせた開放のタイミングを失い、資材も高騰して計画の内容を一部見直した。近く現地で管理棟(16平方メートル)の建設に着手し、併せて利用者用の救命具、救命ボート、簡易トイレ、ライフジャケットや釣り具などのレンタル用品を整える。
本格運用が来春となるため、釣り防波堤実現の主体である日釣振道支部は、11月にも1日限定の「試験開放」を行う考え。実施の詳細は、緊急事態宣言の行方と感染状況を考慮して決める。定員を設けて一般の釣り人の参加を募る予定だ。