季節到来 秋サケ釣り 今年の来遊予想は

  • 釣り
  • 2021年9月2日
サケ狙いのさおがずらりと並ぶ錦岡海岸=8月21日、河口規制前の苫小牧市錦多峰川左岸
サケ狙いのさおがずらりと並ぶ錦岡海岸=8月21日、河口規制前の苫小牧市錦多峰川左岸

  秋の釣りと言えばサケだが近年、資源量は減少傾向だ。釣り人はともかく、なりわいそのものが脅かされる漁業者にとっては死活問題。気になる今季の秋サケ来遊見通しをまとめた。

   前年の来遊実績を基に試算しているのが道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(本場・恵庭市)。6月に2021年の秋サケの資源見通しを公表した。それによると、道全体の予測来遊数は1677万2千匹。平成以降3番目に少ない20年実績をさらに8・5%下回る数値となった。

   海区別では、胆振・日高・噴火湾・道南の4エリアで成る「えりも以西」が180万3千匹。平成以降最低だった昨年より20・4%減り、減少幅は5海区中で最大だ。同様に「オホーツク」が9・1%減の883万5千匹、「根室」は6・7%減の160万6千匹、「えりも以東」は12・8%減の101万3千匹と試算した。唯一増加予想なのは昨年、海区として十数年ぶりに340万匹超を確保した「日本海」で1・4%増の351万5千匹となった。

   同試験場は、サケの成熟年齢の若齢化が進んでいると指摘する。従来、母川回帰のサケの群れの中心は4年魚だったが、昨年は多くの海区で4年魚の割合が低く、5年魚は最少だった。なぜ成熟が早いのか、資源が減少したのか―。生育環境をはじめ各種要因の研究が進められている。

   サケは、漁業者らが資源の安定化のために人工ふ化を行って資源を確立してきた。趣旨と現状を理解しながらルールやマナーを踏まえて釣りを楽しみたい。

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