2018年9月に発生した胆振東部地震から間もなく3年を迎えるに当たり、防災啓発とペット避難所の環境整備支援をするためのチャリティーイベントが15日、厚真町内で初めて開かれた。7月中旬、町内朝日に移転オープンしたペットホテル「Animal total care HAYA」のお披露目を兼ねており、愛犬などと足を運んだ来場客がイベントを通して楽しいひとときを過ごした。
動物保護団体「NPO法人ニャン友ねっとわーく・北海道」(事務局札幌市)が、災害時のペットの同行避難などについて考えてもらおうと主催した。
会場には、地元飲食店が軽食などを提供するキッチンカーや、同団体による猫グッズの物販ブースを用意。休憩スペースを設け、ステージで音楽演奏などを繰り広げた。HAYAでは、大災害発生時に外犬を避難させることができるドッグランの整備を予定し、物販ブースの益金はこれに役立ててもらう考えで、支援の協力を呼び掛けた。
同団体は、胆振東部地震から3日後に現場に入り、約3カ月にわたって倒壊家屋などに取り残された猫などの救出活動をHAYAを拠点に展開した。勝田珠美代表は「動物たちもたくさん命を落とした」と言う。
その際、HAYAのオーナー早川律子さん(50)が犬や猫を無償で預かっていたことや、「ペットと飼い主は一緒にいるべき」との言葉に感銘を受け、「彼女がいなければ、飼い主とペットは離れ離れになっていた。たくさんのことを学ばせてもらった」と目頭を熱くする。
災害時、飼い主はペットを避難所に連れて行ってもいいが、胆振東部地震では、避難所で周囲に与える迷惑やストレスなどを懸念し、車中泊をした人や自宅にペットを残して避難した人がいた。このため早川さんは、災害発生時には役場と連携し、避難動物にとってより居心地のよい受け皿になるペットホテルを目指して準備している。
勝田代表は「被災した時にペットと飼い主がどのようにして一緒に過ごすことができるか、今後の課題になる」と話し、「(被災時の飼い主とペットの在り方を)忘れることないよう、厚真でイベントを継続していきたい」と話した。