(11) 「拝啓パンクスノットデッドさま」 作・石川宏千花 〔中学生向け〕

  • 子どものための選定図書, 特集
  • 2021年7月24日

  パンクロックが生きがいの兄弟(高1と中2)の物語。兄弟2人だけでの生活、兄のアルバイト、バンド仲間の大学生や親代わりの男性との関わりなど、「ふつうの」中学生にとっては異次元の世界かもしれません。

   ですが、ようやく実現した自分たちのバンドの発表会で、「寿命が半分になってもいいから1秒でも長く演奏していたい」と願う2人の熱い気持ちは、皆さんにもしっかり伝わると思います。「オレたちはこれからどこにだっていける」。夢や生きがい、そして自信を持てた人は、強く前向きな気持ちになれるのです。

   パンクの曲名がたくさん出てきます。分からなくてもストーリーは楽しめますが、「アイ・フォート・ザ・ロウ」だけでもネットで探して聞いておくと、パンクのノリや熱さを強く感じられて、いいかもしれませんね。

   (くもん出版 税込み1540円)

   苫小牧拓勇小学校 松井操人

  (おわり)

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