図工の時間、りょうは友達の絵に絵の具を垂らしてしまった。わざとじゃないのに。謝ろうとするも、言葉が出てこず、先生にもとがめられる。りょうは校庭へ飛び出し、鉄棒にぶら下がっていた。そこへ、突然テナガザルが現れ、サルハシを貸してもらうことに。サルハシには不思議な力があって…。
この本は、気持ちを伝えることが苦手な主人公・りょうに、テナガザルが力を貸してくれるお話です。謝りたくても素直に言えない、言葉が出ずに涙が出てしまう、そんな経験は誰にでもあると思います。
気持ちを言葉にして伝えることは難しいけれど、とても大切なことです。勇気を振り絞って、真っすぐに伝えてみるとお互いの気持ちが分かり合え、心が温かくなります。
何か困ったときは、みんなも勇気を出してサルハシをかけてみよう。
(小峰書店 税込み1210円)
苫小牧市立澄川小学校 中山花紅
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苫小牧子どものための選定図書(選定・苫小牧市教育研究会学校図書館教育研究部会)に、今年度新たに加わった11冊を紹介する。