悪条件下で良型ニジマス 作戦的中、会心の攻略

  • 釣り
  • 2021年7月8日
猛烈なファイトを見せた極太ニジマス

  6月の気温がとても高かったためか、今年は河川の水温の上昇が早い。中流域では20度近くまで上がっている川も少なくない。こうなると魚は日陰の深場や白泡帯の底に沈んでしまい、とても釣りにくくなってしまう。先日、知人と行った河川もそんな状態だった。水がとても奇麗で大型のニジマスも生息しているのだが、なにしろ水温が高い。そんな悪条件下で、どうやって大物を引っ張り出すかが大きな課題となる釣行だった。

   まだ暗いうちに出発。目指す川に着く頃に夜が明け始めた。オレンジ色に染まった東の空は、その日も暑くなることを予感させた。

   早速、記者は車から8・6フィート#4ロッドを取り出してピースをつないだ。ビッグドライを使って深場に沈んでいる大型のニジマスを釣る作戦だ。空気抵抗の大きなドライフライをキャストするため、リールにはより重い#5フライラインを巻いていた。ガイドに通して3Xティペットに特大の#4シュティミュレーターを結んだ。フライのアピール力を高めるために長いラバーレッグも取り付けている。

   知人はティペットにガン玉を打ったアウトリガースタイルでニンフを沈める作戦だ。夜が明けた川は、光を反射してダイヤモンドを敷き詰めたように光り輝いていた。

   まずは記者が先行してポイントにフライを落していく。時々20センチ台の小型ニジマスが飛び出して来るが、食い切れずヒットしない。でもそれで良い。狙っているのは大型ニジマスだ。

   沈木の脇を流した時に50センチクラスのニジマスが突然ヒット。しかしファイトを抑えることができず、下流に走られてラインブレークしてしまった。

   陽が昇るにつれて気温も急上昇。半袖のシャツ一枚で十分だ。荒瀬の白泡帯のど真ん中にフライを落すとすぐに見えなくなった。半信半疑で合わせると、猛烈なファイトが始まった。慌ててロッドを寝かせたが、ロケットのようなダッシュは止まらない。ドラグが悲鳴を上げているが、そんなことはお構いなしに暴れ回ってくれる。やっとランディングしたニジマスは、40センチほどの極太の野生児だった。その後知人も良型ニジマスをゲット。川から上がり、噴き出す汗を拭いながら車に戻った。

  (大中?隆)

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