海岸の投げ釣り 大物カレイや アブラコ狙う

  • 釣り
  • 2021年6月17日
投げ釣りの人気ターゲット、クロガシラカレイ=苫小牧市弁天

  苫小牧は投げ釣りが盛んという。釣り具業界の関係者の印象だ。砂浜と緩傾斜護岸の海岸線が続き、港を含めてカレイ類やアブラコを狙うことができる。さお(ロッド)を振り抜いて投げる豪快さも特徴だ。

   ―キャスティングに爽快感

   4メートル前後のロッドで仕掛けを投げ(キャスティング)、さお立てや三脚にセットして魚が掛かるのを待つ。ロッドは3・6~4・5メートルが主流で、投じる距離や仕掛けの重り(主に25~33号)などに対応して多くの種類がある。リールは投げ釣り用のやや大型機種を使う。

   近距離のちょい投げなら、魚の食い込み重視で弾性に富む軟らかいロッドが好まれる。100メートル以上の遠投なら、張りのあるロッドを大きくしならせてその反発力で遠くに仕掛けを投げ込むため硬めのさおが適する。トップキャスターと呼ばれる人たちは150メートル以上の超遠投も可能。渡島地方の漁港なら防波堤から遠投しババガレイ、マガレイのポイントにアクセスできる。

   飛距離にかかわらず、振りかぶったロッドを一気に振り下ろしてキャスティングするのは爽快だ。仕掛けは天空に大きな放物線を描くかのように飛んで行く。

   遠投派の道糸は、ポリエチレン系の素材を使った1号前後の細くて丈夫なPEラインが主流。比重が軽くて風の影響を受けやすく、極細で軟らかいゆえのトラブルもあるためベテラン向きの道糸だ。初心者には、飛距離でPEより落ちるが3~5号のナイロンが扱いやすく、価格も手頃だ。

   ―”待ち”の中の”攻め”に面白さ

   投げ釣りは、座して待つイメージがある。はやりの「ぼっち釣り」で仕掛けを打った後は読書をしたり、家族で炭火焼きを楽しんだりもいいが、釣果を求めるなら小まめな誘いと餌替えが効果的だ。ベテランや上手な釣り人は、待ちの中の攻めに神経を配る。

   特にカレイは好奇心が旺盛な魚。海底で仕掛けを動かして魚に餌の存在をアピールしたり、新鮮な餌の匂いで魚を寄せたりできる。長く放置するとヒトデが餌に付いたり、カニや小魚などに取られることもある。

   数釣りができる日本海方面では、寄せ餌を入れるロケット籠を仕掛けに付ける釣り方が定着している。こませで釣果アップを図る方法だが、飛距離に影響が大きいことや、太平洋側ではアカハラが寄り付くため、苫小牧では仕掛け単体で投げる人が多い。

   春はクロガシラ、初夏以降はイシモチ、マツカワが加わり50センチ超の”座布団”級の便りが届く胆振、日高海岸。護岸の投げ釣りでは50センチ超の大物アブラコも上がっている。港では夏から晩秋に大物アナゴも夜釣りで狙える。

   長いロッドや大きめのリールなど道具の重厚感はあるものの、爽快さと豪快さとターゲットが投げ釣りの魅力だ。

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