Q…庭仕事をしていると、石の下から大きなハサミムシが出てきました。ハサミムシのお尻にあるはさみは何のためにあるのですか?
A…ハサミムシは腹部の先端にハサミがあり、捕まえようとするとサソリのようにはさみを振りかざして威嚇します。
ハサミは小さいですが、挟むことができます。主に外敵への威嚇や攻撃に用いられ、食べ物となる小さな昆虫を捕まえるのにも使われます。
ただし、クワガタのような力はないので、指を挟まれても痛くはないし、傷も付きません。おそらく挟まれた感覚はないでしょう。
雄雌ではさみの形や大きさが違い、雄のはさみは特徴があるので種類を調べる時の目安になります。ハサミムシの仲間は肉食傾向が強いですが、植物の葉や花粉、果実なども食べます。ほとんどは夜行性ですが、日中に花の上などで蜜や花粉を食べている種類もいます。
ハサミムシは子育てをします。雌は卵を守り、幼虫に食べ物を与えて育てます。幼虫がある程度、成長するまで自分は食べずに子育てに専念します。コブハサミムシという種類は全く食べ物をとらず、幼虫に自分の体を食べさせます。
害虫扱いされることがありますが、人に対しての害はありません。ただし養蚕が盛んだった頃は、カイコを食べる害虫とされていたことがありました。また、ヨーロッパに生息するヨーロッパクギヌキハサミムシは、農作物や果物を食べる害虫として扱われています。
(文とイラスト ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之)=随時掲載