(2)口唇閉鎖不全・おくちぽかん 唇周りの筋肉を鍛えて

  • 歯と口の健康週間, 特集
  • 2021年6月1日

  突然ですが皆さんのお子さんは、ろうそくの火を吹き消すことができますか? 風船を膨らませることができますか? 縁日などでよく見掛ける笛のおもちゃの吹き戻しで遊ぶことができますか? もしできない場合は、口唇閉鎖不全症の可能性があります。

   口唇閉鎖不全症は、口の周りの筋肉が十分に発達していなかったり、舌の筋肉が弱かったりした場合に生じます。ろうそくの火を消す時、唇をしっかりとすぼめて一気に空気を吐き出さなければ、火を消すことはできません。そのためには唇の周りの筋肉が十分に機能する必要があります。風船を膨らませる場合は、さらに強い筋力が必要になります。

   口唇閉鎖が十分にできないと、唇が閉じない、いわゆる「お口ポカーン」状態になります。この状態だと口の中が乾燥し、むし歯や歯周病になりやすくなったり、歯並びが悪くなったりします。また、前回紹介したように口で呼吸してしまうことで、肺に直接空気が入って風邪をひきやすくなったり、ウイルスに感染しやすくなったりします。

   子供の頃、十分に口周りの筋肉が発達していない場合、大人になってから唇が厚ぼったくなったり、唇が乾燥しやすくリップクリームが手放せなくなったり、滑舌が悪いなどの問題を引き起こしかねません。唇や舌の筋肉をしっかり鍛えて正しい使い方をすることで、歯並びを整え、むし歯や歯周病を予防し、風邪のひきにくい丈夫な体にしていきませんか?

   もし、唇が常に乾燥したり、食事の時に「くちゃくちゃ」と音がする場合、口唇閉鎖不全症の可能性があります。かかりつけの歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。 (苫小牧歯科医師会地域保健部会)

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