11%増の177万人 ウポポイ開業効果 白老町2020年度観光入り込み

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  • 2021年5月31日
日帰り観光客の入り込みを押し上げたウポポイ

  白老町の2020年度の観光入り込み客数は177万3948人となり、19年度比で11・1%伸びた。前年を上回ったのは2年連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響で宿泊客数は大幅に落ち込んだものの、昨年7月のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)開業効果で日帰り客が増え、白老への入り込み客全体を押し上げた。

   宿泊客は5万7980人で、前年度比43・2%ダウンの4万4046人減と大きく落ち込んだ。日帰り客は171万5968人で、14・8%アップの22万1123人増と伸びた。宿泊と日帰り客を合わせた入り込みの全体数は、前年度より17万7077人増えた。

   宿泊客の大幅な落ち込みは、昨年2月以降に感染が拡大した新型コロナの影響が大きい。度重なる緊急事態宣言の発令や、外出自粛によって宿泊を伴う旅行需要が大きく鈍り、町内の宿泊業界も苦境に陥った。特に温泉ホテルなどの宿泊施設が多い虎杖浜温泉地区(竹浦・虎杖浜地区)の入り込み客数は、前年度比で26・7%ダウンの68万4943人にとどまり、宿泊客数も半減した。

   町内全体の日帰り客の増加については、ポロト湖畔に国が整備したウポポイの開業効果とみられる。ウポポイが立地する白老地区の入り込み数は108万9005人と、前年度比で64・3%も伸びた。開業効果は、社台から北吉原にかけた白老地区の飲食店・土産店にも波及し、来店客数は71・4%増の77万3873となった。

   一方、外国人観光客の宿泊客数は9152人減のわずか52人。前年度の1%弱となり、新型コロナの世界的流行による渡航規制を背景に極端に落ち込んだ。

   ウイルス感染は今年度に入っても拡大し、北海道への緊急事態宣言の延長で観光需要の冷え込みが続くとみられる中、町は地元観光業界への影響を注視している。

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