東胆振から第62次南極地域観測隊(2020年11月~22年3月)に参加している元小学校教員柴田和宏さん(46)=苫小牧市澄川町=と元航空自衛隊員久保木学さん(55)=安平町早来。柴田さんから昭和基地での暮らしをつづったリポートの2回目が届いた。今回のテーマは家事。 (随時掲載)
第1回目は住居と食事のお話をしました。第2回目は、家事について紹介します。
家庭で生活を営んでいくための家事はいろいろありますね。掃除、洗濯、料理、食器洗い、風呂掃除などなど。昭和基地で生活を営んでいく上でもそれらの仕事は不可欠です。自分の居室は自分で掃除をし、自分の衣服は自分で洗濯するのは当然ですが、共用スペースの掃除や食器洗いなどは当番で行います。
まずは食器洗い。越冬隊員31人分の食器を洗い、食器棚に戻すところまでが仕事です。四つの班に分かれて輪番で行います。冗談を言いながら仕事をするので楽しいのですが、いつもより早めに食べ終えて洗い場に入ることを心掛けるため、何となく気ぜわしくなります。
食べるのが早い人がいると「あっ。もう食べ終わって洗い始めた人がいる!」と少々焦ります。食器洗い当番の1週間が終わると「はぁ。ゆっくり食べられるっていいね」と同じ班の隊員と話をします。
共用スペースの掃除や食事の準備の手伝いなどをするのは当直。毎日1人ずつ交代で行います。当直の朝は早起きです。調理隊員が作る朝食をテーブルに並べたり、飲み物を冷蔵庫から出したりして準備をします。朝食後にはごみ処理や調理器具の洗浄、食堂の掃除、風呂掃除、トイレ掃除などがあります。それらの仕事を終えて一息ついたら、次は昼食の準備の手伝い。昼食が終われば、再び調理器具等の洗浄。その後は途中休憩を挟んで夕食の準備の手伝い。夕食後はミーティングの司会をして、厨房の清掃とごみ処理。仕事終わりは午後8時ごろとなり、ほぼ1日仕事です。
当直の仕事は1人で行いますが、食事を各テーブルに配膳する手伝いをしてくれたり、飲み物を冷蔵庫から出してくれたりと隊員同士で助け合う部分もあるのでとても助かります。31人で生活を営むには、役割分担などのルールが必要です。と同時に、互いの気遣いも同じくらい大切なのだと実感します。