苫小牧駅前通商店街振興組合専務理事 大澤 慶幸さん(70) ”太鼓のおじさん” 子どもたちに親しまれ 地域のために 楽しみながら 第二の青春 「人の役に立ちたい」

  • ひと百人物語, 特集
  • 2021年5月8日
消費者目線で作った会報を並べ、「駅前通に足を運んでもらいたい」と語る大澤さん
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とまこまい港まつりでは毎年ばちを振るっている=2007年
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バドミントンの大会へ苫小牧市役所チームで出場(前列中央)=1975年
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高砂町内会の敬老会で司会を務めた=1992年
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  苫小牧市内の盆踊りで太鼓をたたいたり、苫小牧駅前通商店街振興組合の会報を製作したりと、さまざまな形で地域の活性化に携わってきた。「どうせやるなら、義務感ではなく、楽しんでできるかどうかが大切だ」と説く。

   旧門別町(現日高町)で、6人きょうだいの末っ子として生まれた。両親が音楽好きで、家では演歌歌手、三橋美智也や島倉千代子らの曲がシートレコードから流れていた。今も続けている太鼓演奏にはリズム感が必要だといい、「いろいろな音楽を聞かせてくれていた両親のおかげ」だと振り返る。

   苫小牧東高校に進学したが、汽車通学に1時間ほどかかった。知り合いは少なく、友人づくりや体力向上のため、バドミントン部に入部した。

   卒業後、1969年度に苫小牧市役所に入庁してからも、バドミントンの市役所チームに加わり、全道市役所大会へ出場。同時に苫小牧地区バドミントン協会の事務局員として協会の運営にも参画した。

   78年、当時住んでいた高砂町の町内会で、盆踊り大会を開催することになった。太鼓を習っていた兄の光生さん(76)から盆太鼓を教わり、太鼓の楽しさに魅了された。

   盆踊りは、太鼓の音に強弱をつけることで踊りやすくなるといい、「音と踊りがずれていないか目配りしながら、たたくことが重要。奥深い」と笑顔を見せる。

   地域の祭りでは「地元の人がたたくのがふさわしい」と、子どもたちへの太鼓の指導もしてきた。下校中の小学生たちから「太鼓のおじさん」とあいさつをされると、「純真さに、心が和む」と目尻を下げる。

   今ではソーラン節や演歌で太鼓を奏でる曲打ち太鼓にも取り組み、市内の老人保健施設で腕を振るうこともある。

   市役所を定年退職し、2014年12月から、苫小牧駅前通商店街振興組合の会報「一燈照店」を手掛けている。

   市役所で職員向けの広報紙を担当したこともあり、「商店街を手伝うことが地域の活性化にもつながる」と引き受け、執筆や編集、配布までほぼ一人でこなす。今年5月1日号で、大澤さんが携わってから78号目となった。

   古希を迎え、時間にも精神的にも少し余裕ができた。今後の人生を「第二の青春」と表現し、「どう生きるかの目標を定め、行動できる。人の役に立てることをしたい」と意欲を新たにする。

   最近は、子どもたちが生きていく未来の地球環境を危惧している。「自分にできることはないか、考えていきたい」と表情を引き締めた。

  (高野玲央奈)

  大澤 慶幸(おおさわ・よしゆき) 1950(昭和25)年12月、旧門別町(現日高町)生まれ。苫小牧地区バドミントン協会の参与で、今も健康保持のため週2回ほどプレーを楽しんでいる。シンガー・ソングライターの山下達郎や浜田省吾が好きで、自宅カラオケも楽しむ。苫小牧市若草町在住。

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