3、4両日に芦別市などで開催予定だった北海道中学生バレーボール選抜優勝大会が、新型コロナウイルスの影響で中止になった。苫小牧勢は男子クラブチーム苫小牧ジュニアのメンバーで構成する男子の苫小牧合同、女子の青翔がそれぞれ出場権を獲得していた。各チームは悔しさをバネに、次の中学校体育大会に向け努力の日々を送る。
大会は集団生活を通じた競技知識、技術、態度の向上を目的に北海道バレーボール協会指導普及委員会が主導するジュニアキャンプの一環。例年2度の選考会を経て全道の精鋭男女各24チームが選考されるが、今年度は道内各管内で代表チームを決め、男女15チームずつの出場と規模を縮小して開催を予定していた。
「悔しさ、悲しみ、いら立ち。いろんな気持ちがこみ上げた」と言うのは苫小牧ジュニアの小路悠翔主将(青翔3年)。同チームとしては新型コロナによって昨年3月から7大会連続で出場予定の全道級大会が中止になった。
昨年秋からわずか6人で活動してきたが、今年4月に小学年代で競技経験を持つ4人の有望株が加入。2年生選手が不在な分、既存のメンバーたちに「自覚が芽生えてきた」と対馬満監督が手応えを口にするように、精神面の成長でチーム力は一気に上がっていた。
「試合に出て勝つことがすべてじゃない。高校でも活躍することを見据えた自己成長にも励んでほしい」と監督は期待。小路主将は「次の中体連で3年間の努力を発揮できるように準備したい」と切り替える。
中山煌彩(青翔1年)は「仲間と協力しながら得点できるプレーヤーになりたい」と意気込んでいた。
女子の青翔は今年3月中旬に市内で開かれた室蘭桜蘭との代表決定戦を2―1のフルセットの末勝利し、大会出場権を得ていた。阿部美衣菜主将(3年)は「一つの目標にしてきた大会。中止の知らせを聞いたときは、全員が放心状態だった」と言う。
阿部主将ら最上級生は1学年上に部員がいなかったため、1年時から試合経験を積んできた。高身長の選手が少ない分、粘り強くボールをつなぐのが身上。「最後まで諦めずにプレーできた」(主将)桜蘭戦をはじめ、4月中旬に市内開催された春季大会も制するなど上昇気流に乗っていただけに、腕試ししたいところだった。
悔しさは中体連で晴らす。「ミスが起きたときの雰囲気がまだ良くない。一人一人がチームを盛り上げていかないと」と阿部主将は話す。米谷輝顧問は「大会が中止になっても、いままで積み上げてきたことがゼロになるわけではない」と奮起を促した。