Q…街中や公園でカラスに襲われないようにするにはどうすればよいですか。
A…4月中旬を過ぎると、カラスたちは子育てに大忙し。ゆうふつ原野では3月から巣作りが始まり、4月中旬を過ぎると子育てが本格化して、6月から7月にかけて巣立つ。「カラスに襲われた」という話題が出始めるのは巣立ちの頃が多い。
カラスが人を襲うのには理由がある。連れ合いや子どもを守るためだ。カラスにしたら家族を守るための正当な防衛行動と言える。
カラスは知能が高いので、巣に頻繁に近づく人ばかりではなく、巣を壊したり、連れ合いや子どもを殺した相手の容姿を覚えている。また餌付けされたことにより、人は食べ物をくれるものと思い込み、近づいてきて脅し、食べ物を奪うようにもなる。
ごみステーションにカラスが集まり、ごみを散らかすと、カラスが悪者にされるが、カラスが悪いのではなく、だらしない人間の行いが原因であることが多い。
カラスは賢いし学習もするが、カラスに人の行いが無害であることを分からせることは難しい。カラスの気持ちを理解しようという努力をせず、人の考えだけを押し付けても解決はできない。
「コロナ禍」の中、同種とのコミュニケーションさえ難しい昨今だが、異種の賢い隣人であるカラスの気持ちになって考え、コミュニケーションをとってみることをお勧めする。「相手を理解しようとする」努力が一番の解決策だからだ。ただし「餌付け」は人を襲うカラスをつくるので絶対にしてはいけない手段だ。餌付けは人間側の自己満足にしか過ぎず、百害あって一利なし。カラスにも人間にも悪いのでしてはいけない!(文とイラスト ゆうふつ原野自然情報センター・村井雅之) =随時掲載