地図

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2021年4月21日

 取り壊された家や商店の跡を見て、そこにあった建物の形がかすんで行くのに気付く。懐かしい景色はそんなふうに記憶からも消える。

 地図が好きだ。最新の国名や地名はインターネットで確認をするが、大判の地図は、歴史も含めて一望できる気がする。道路地図も居間や机上の探しやすい場所に何冊か置いている。

 小さくとも貴重な住宅地図集もある。旧穂別町の退職役場職員ら有志が、2014年に出版した、古老らからの聞き取り史「大地を踏みしめて」末尾の、町内各地区の住宅地図を久しぶりに取り出して開いてみた。

 地区に古くから住んでいる人や、住んだ人たちが記憶を振り絞って道路や川の概念図の、おおよその位置に世帯主の名前を書き込んだ。地図の年代は証言者の記憶によって、戦前から戦後の1950年代まで、まちまちだ。代が代わってもそのままの位置に名字の残っている世帯もあれば、転出して所在が分からなくなった人の名前もある。学校も含めて、すべてが消えてしまった地区の地図も、ある。作られた小さな地図の一枚一枚が、地域の歴史の貴重な記録なのだ。転出入の多かった炭坑の地区の地図には炭坑事務所や組合事務所、選炭場や坑木工場など関連施設名や商店名があるが炭住(炭坑住宅)は、空白になった家並みの図だけが並ぶ。

 地図は一瞬で遠い過去にも案内してくれる大切な道具。30枚ほどの小さな地図に秘められた大きな力に教えられる。(水)

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